登山していると、携帯電話全盛期のときのストラップ張りに、熊よけの鈴を大量につけている登山者にたまに遭遇します。
一つだけなら「リーン」と、なんとも風流な趣があって良い感じなのですが、これが5つ6つと大量につけてジャラジャラとやっているのをみると、正直「やかましい」気持ちになったりします。
さて、そんな熊よけ鈴なのですが、効果のほどはいかほどなんでしょうか?
人によっては、最近の熊は人間を怖がらないので、むしろ居場所がバレて危ないなんていう人もいらっしゃいます。
そこで、今回は熊よけ鈴をつけることで本当に効果があるものなのかという点を検証していきたいと思います。
- 熊よけの鈴は本当に効果があるのかわかる
熊よけ鈴の効果についての検証結果
それでは、熊よけ鈴の効果について結論から述べたいと思います。
「熊よけ鈴をつけることには効果はある」
以下、その根拠となる2つの点について述べていきます。
- 複数の行政期間より熊よけ鈴をつけることを推奨されている
- 専門家も熊よけ鈴には効果ありとの見解を示している
複数の行政機関より熊よけ鈴をつけることを推奨されている
熊よけ鈴には効果があると判断できる根拠の1つ目は「複数の公共機関より熊よけ鈴をつけることを推奨されている」からです。
個人のブログや民間メディアからの意見となると、少々懐疑的にならざるを得ませんが、一定量信頼のおける行政機関から、登山の際には熊よけ鈴などを装着することをむしろ推奨している趣があります。
しかも1箇所ではなく、さまざまな機関から同様の発表が出てることをみると一定の効果はあるものと考えられます。
以下、主な行政機関からの発表内容です。
環境庁の発表
まずは環境庁が出している「クマ類出没対応マニュアル」にて熊よけ鈴を推奨する旨が記載されています。以下、マニュアルからの引用文です。
ザックに鈴などをつけておくことで人の存在・接近をクマに知らせ、不意の出会いを避ける
引用元:クマ類出没マニュアル
最近の日本行政は手放しで信用することが出来ない面もありますが、このような内容であれば信頼しても良いだろうと考えます。
山梨県警察の発表
続いては、山梨県警察ホームページの「熊と突然であったら!!」というページからの引用です。
山に入るときは、熊鈴やラジオなどを持参し、自分の存在を熊に知らせましょう!
引用元:山梨県警察HP
山の多い山梨県の県警からの発表ということで、これも信憑性は十分だろうと考えます。
長野県駒ケ根市の発表
南アルプスと中央アルプスに囲まれた行政地区である長野県の駒ヶ根市ホームページでも、以下のような記載があります。
山に入るときはラジオや鈴、笛など音の出るものを持ってお出掛けください。
音でクマに人の気配を知らせましょう。特に早朝と夕方はクマの活動が活発になります。
引用元:長野県駒ケ根市HP
日本でも有数な山岳地帯である駒ケ根市からの発表です。
ここまで揃うと、かなり高い確率で熊よけ鈴をつけることの有効性が示されているだろうと考えます。
専門家も熊よけ鈴には効果ありとの見解を示している
熊よけ鈴には効果があると判断できる根拠の2つ目は「専門家も熊よけ鈴には効果ありとの見解を示している」からです。
「ヒグマの会」という民間組織があります。
ヒグマとそれを取り巻く自然環境や社会に関心を持つ道民、研究者、農業者、狩猟者など幅広い層の人々が入会している組織で、1979年創設から約40年間に渡り、ヒグマに関する様々な研究をおこなっています。このようなヒグマに関するプロフェッショナル集団から、同HPにて熊よけ鈴の有効性を示すような発表がなされています。以下、同HPからの引用です。
クマよけの鈴・ベルは、「鳴り物」の代表として昔からザックなどにつけて山を行く登山者が多く、現在では、ホームセンター、釣具店などにも普通に見られるメジャーなクマ対策用品だ。メジャーというところが結構肝心で、これをつけて歩き回る登山者が多い山では、「チリン」と遠くから鳴っただけで周辺のクマは「ヒトが来た!」と思うだろうし、逆の場合には「何の音かな?」と興味を持つ若いクマがいるかも知れない。いずれにしても、これをつけて歩くことで、お互いに知らないうちにクマとヒトが接近というケースは防げる。
引用元:ヒグマの会
クマに対して、長年研究してきた人たちからの見解です。かなり信憑性があるものと考えます。
熊よけ鈴は無効との意見も
続いては、熊よけ鈴は無効との意見をお持ちの方々についての紹介です。
以下、Twitterのコメントとなります。
熊よけ鈴を付けていても襲われたという事例があるようですね。
ただ、鈴は付けていたが音が鳴ってなかった可能性というのも指摘されていて、決定打としては少々弱いとの印象があります。
熊よけ鈴はあくまで予防策
ここまでの内容で、熊よけ鈴に一定の効果はあるということ納得してもらえたかと思います。
しかし、熊よけ鈴はあくまで予防策です。
出会い頭に遭遇してしまった場合の効果は期待できません。
むしろ、その音が熊を刺激して襲われる原因になるかもしれません。
そこで、ここからは熊に出会ってしまったあとに有効と思われる熊撃退用グッズ3種についてみていきます。
- 猟銃
- 熊スプレー
- 蚊取り線香
猟銃
熊撃退用グッズの1つ目は「猟銃」です。
これは、もはやグッズと呼べる代物ではありませんが、使いこなせれば、かなりの高確率で熊を撃退できるグッズになります。
しかし、日本国内で猟銃を手に入れて発砲できるようになるには、警察で「銃砲所持許可」を受けた上で、猟銃免許を取得する必要があり、われわれ一般人にはおいそれと入手できるものではありません。
加えて、常に動き回っている熊に命中させられるようになるには、相応の訓練も必要となってきます。
このため、他のグッズを携帯するほうが現実的だろうと思います。
ただ、あなたが本気で猟銃を入手する気があるということでしたら、免許取得のために以下の書籍で勉強するのが良いかと思います。参考にしてみてください。
熊スプレー
熊撃退用グッズの2つ目は「熊スプレー」です。
こちらは、猟銃に比べてかなり現実的なグッズになります。
唐辛子の辛味成分であるカプサイシンを大量に含んだスプレーで、7~8メートル程の飛距離があります。効果についても環境保護庁にて保証しています。
使い方の動画がありましたので、以下に掲載します。参考にしてみてください。
熊よけ鈴でクマとの遭遇率をさげて、それでも出会い頭に出逢ってしまったらクマ撃退スプレーで退ける。これで完璧です。
蚊取り線香
熊撃退用グッズの3つ目は「蚊取り線香」です。
蚊取り線香は撃退グッツでは無いですが熊よけの効果が期待できるという話があります。
熊の嗅覚は犬の数倍あると言われていて、あの蚊取り線香の匂いが熊よけにも効果w発揮するという話があります。残念ながら検証結果を見つけることはできませんでしたが、本来の蚊取り線香の役割と合わせて熊よけ用に、夏のテント泊に持参するというのも良い手かもしれません。
まとめ
- 複数の行政期間より熊よけ鈴をつけることを推奨されている
- 専門家も熊よけ鈴には効果ありとの見解を示している
- 猟銃
- 熊スプレー
- 蚊取り線香
熊よけ鈴の効果について、肯定意見、否定意見、それぞれそして撃退するためのグッズについてみてみました。
確かに確実に効果があるとは言い切れない状況ではありますが、鈴を付けていることのデメリットは「うるさい」だけですし、これぐらいのデメリットであれば目をつぶっても良いのではないでしょうか。
ただ、あまり多く付けるのは回りの人が嫌がるかもしれません。1、2個に抑えておいて無用なトラブルに発展しないよう配慮することも大切かと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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